カメ散歩の日記

読書のメモや雑感を書いてます

ナショナルジオグラフィック 2021年4月 のメモ

書籍名

雑誌 ナショナルジオグラフィック 2021年4月

気になった部分

EXPLORE 探求するココロ ペットから害鳥になったインコ (エイミー・アリピオ)

  • カナリア諸島セーシェルでは、在来種を守るために外来種の駆除をしたが、インコを減らす施策には賛否両論がある。結局「みんなインコが好きなんです」と、英国の生物多様性保全の専門家ジム・グリームブリッジは語る。
    • 人間に好かれれば駆除されない。人が心地よいと感じられる環境になるのであれば在来種・外来種の別は問われない。理想主義者と現実主義者と無関心者の綱引き。

THROUGH THE LENS レンズの先に エベレストでの自撮りを再考 (マーク・シノット)

  • 私が見たところ、高額な料金を払ってエベレストに登る典型的な客は、エゴの塊のような大金持というよりも、なにかすごいことを成し遂げるためにコツコツとお金をためてきた根性のある夢想家であることが多かった。
    • 比較的裕福な国の人が多いんだろうと想像する。エベレストを登ることを夢見ることができる国・地域の人はラッキー。そのような人の視点から見れば筆者の言う通りだろう。そもそもナショナルジオグラフィックを読むような人はそのような国・地域で暮らしている場合がほとんどだと推測する。

FEATURES 特集 寿命を縮める大気汚染 (文 ベス・ガーディナー 写真 マチュー・パレイ)

  • モンゴル政府はクリンエネルギーの開発に消極的だ。
    • 理由はなんだろう。エネルギーコストの問題か?風力発電とかできないのか?
  • 一般にあまり知られていないが、大気汚染は新型コロナウィルスより確実に多くの生命を奪う。
    • 交通事故死亡者数、自殺者数、インフルエンザによる死亡者数などと同じ。航空事故で死んだ人がとりわけ注目されるのと同じで、人びとに「不安を感じさせる・恐怖に陥れる」ことがクローズアップされてしまう。とはいえ、新型コロナの場合は最大限の抑止活動をした上での結果なので比較することは少しフェアではないとも思う。
  • 専門家委員会は、汚染された空気は人体のほぼすべての基幹システムに影響を及ぼすと結論づけた。 「影響の広さが最大の驚きでした」
    • 薄く慢性的に及ぼす影響は許容されやすい。罹患者も慣れてしまい、本来どうであったかを忘れてしまう。あるいは、生まれてからその環境にいたのであれば、それが「普通」ということになる。科学者が見つけてくれることで初めて一般の人は気づくかもしれない。
  • 現代の工業型農業は大きな汚染源だ。欧州、米国東部、東アジアにおけるPM2.5の最大の発生源は、農業だと指摘する研究もある。
    • 野焼きとかはわかりやすい。農業とはいえ「安いローテク」を利用していることは、工業が大気汚染に与える影響と同じといえる。
  • 大気汚染と人種差別 米国の大気汚染は、この国の人種格差に新たな一面を加えている。ある研究によると、アフリカ系米国人がさらされているPM2.5の濃度は、平均より約1.5倍高いという。 「裕福な地区は、住民に力があるので好まれません。企業は反対が少なそうな場所に建設したがるのです」
    • 「住民に力がない」という表現がつらい。弱い立場の人が結束することもなく、対抗することができない。アメリカ(だけではないが)の分断の一側面。価値観の多様化を認めることと分断(断絶)をなくすことの両立はできないか。結果として格差の拡大や差別の維持・拡大。
  • ビクトリアの所属していた団体は、全米でも規制が厳しいことで知られるカリフォルニア州大気資源局にトラック交通量のデータを持ち込んだ。すると2020年、同局は新たな規制を定め、24年までにトラックのゼロエミッション化を始めることと、汚染物質を排出しないトラック割合を35年まで段階的に上げていくことを発表した。
    • このようなキラリとした希望が救い。この混沌さ・多様さがアメリカの強みならば、中国の強みは「孤立」「統制」ということか。追いつくのは中国のが早いだろうな。その先からがアメリカと中国の本当の勝負になる。

FEATURES 特集 森林火災の煙 (文 シンシア・ゴーニー 写真 スチュアート・ペイリー)

  • 観察をはじめて12年が経った現在、サルたちに治療が必要なほど深刻な健康上の問題は現れていない。だが、心配な兆候はある。空気が比較的きれいだった2009年に誕生した個体に比べると、生後数週間を濃い煙の中で過ごした個体は、肺や気道が小さく、機能的に劣っているようなのだ。
    • さっきも書いたが「生まれてこの方この状態」ということになる。遺伝的にそうなのかどうかの区別をつけるのは難しいだろう。地域や期間を区切った上で統計的に判断をするしかない。改善施策も広いエリアに対してやることになる。個人の保証ということもは難しいと思われる。公害病や難病指定のような施策だろうか(日本の場合)。

FEATURES 特集 フロリダパンサーは復活するか? (文 ダグラス・メイン 写真 カールトン・ウォード・ジュニア)

  • ピューマの亜種に分類されるフロリダパンサー 90年代半ば テキサス州の8頭の雌のピューマを捕獲して、それらをフロリダ南部に放したのだ。そのうち5頭が子を生んだ。こうして遺伝的多様性をもたらされたことで、フロリダパンサーの負のスパイラルは反転した。
    • 亜種を少し混ぜることで全体的な遺伝子の多様性をもたらす。次善の策とはいえ残念。日本のトキやコウノトリも同じと思われる。後付けとして「事実上同じ」ということで自分たちを納得させている。まあ、いなくなってしまってからの対策なので、同しようもないのだが、純粋に寂しく悲しい。
  • 概して言えば牧場の人間とフロリダパンサーは共通の敵に直面している。それは開発、とりわけ宅地の開発だ。 「パンサーを救うには、牧場主を救う必要があるのです」
    • 野生動物・植物を救うためには、それに近接する人間たちを救う必要がある。これは真理だと思う。多くは貧困をなんとかする必要がある。でも、貧困を改善するために経済的な力が働くと必然的に資本主義的な活動が多くなり、その副作用との戦いとなりおかしくなってしまう。途中まではいいはずなのに、ある程度の規模になると副作用が大きくなり質が変わってしまうんだろう。

FEATURES 特集 アマゾン 樹上の昆虫たち (文 ヘイリー・コーエン・ギリーランド 写真 クレイグ・カトラー、ブライアン・ブラウン

  • 動物界における昆虫は地球における深海のようなもので、大部分は科学的に未知の世界だ。
    • 知らないうちにそのようなものがいなくなってしまう(絶滅してしまう)のは非常に残念。原因がヒトの活動にあることは間違いなく、罪悪感を感じる。もったいないという思いもある。
  • 「ハエの多様な種のうち、3分の2近くが地上8〜32メートルの間のトラップにかかっていて、地表付近には見られない種でした。つまり高木を切り倒すことによる損失は、計り知れないということです」
    • 1本の木は偉大。木を切り倒して根っこを掘り起こしたことがあるが、その木に依存する生き物がいかに多いかがわかる。地面より上の部分もそうだし地下もそう。森林はさらに偉大。
  • ブラウンは、ハエを自然界の優秀なリサイクル業者に例えて説明するのが好きだという。ハエの幼虫は生ゴミや落ち葉、動物の死骸、フンを採取し、それらをすべて他の生物が利用できる栄養素に変える。「それでもわかってもらえないときは、カカオの受粉を担っているのはハエだと伝えます。ハエがいなくなったらチョコレートを食べられなくなるんですよ、とね」
    • いわゆる「一般の人」に向けたわかりやすい説明は大事。チョコレートという大人気の食べ物がハエと関わりがあったということは、メッセージを伝える手段があるという意味で「ないよりは遥かにマシ(ラッキー)」といえる。