カメ散歩の日記

読書のメモや雑感を書いてます

ブループリント(上) のメモ

書籍名

ブループリント(上) ニコラス・クリスタキス 鬼澤忍・塩原通緒 訳 ニューズピックス 2020/9/17

気になった部分

はじめに − 私達に共通する人間性

  • 「社会の善」を推進する力
  • 他者を憎まず自集団を愛せるか
  • 私たち一人ひとりが自分の内部に「善き社会を作り上げるための進化的青写真(ブループリント)」を持っている
    • 上記が本書のメインテーマ。

第1章 社会は私たちの「内」にある

  • 子供の行動には、小規模で暫定的な一種の社会を作り上げることがそもそも含まれている場合が多い。人間とは幼い頃からお互いに助け合うものなのだ。
    • 知識が少ない(バイアスが少ない)状態であれば、もともとの青写真に従った行動が取りやすい。恥やプライドといったものもまだあまり認識されない。
  • 畏怖の念は、利己生を低下させ、他人とのつながりをより強く感じるように認知変化を引き起こすために進化した感情である
    • 天変地異で生じた破壊に対して皆が団結して対応する、敵が自集団を攻めに来る、など、一人ではどうにも対応しきれないときが当てはまるか。
  • あらゆる社会の核心には以下のような社会性一式が存在する:(1)個人のアイデンティティを持つ、またそれを認識する能力(2)パートナーや子供への愛情(3)交友(4)社会的ネットワーク(5)協力(6)自分が属する集団への好意(すなわち内集団バイアス)(7)緩やかな階級制(すなわち相対的な平等主義)(8)社会的な学習と指導
  • 社会生活の青写真は私達の進化の所産であり、DNAというインクで描かれている
    • 社会性一式が「社会の善」を形作る要素であることは同意。

第2章 意図せざるコミュニティ

  • 根本的に異なるルールを持つ社会を作り上げようという取り組みの大半は、すっかり破綻するか <略> もとの社会と似てしまうという結果になるかのどちらか
    • 社会性一式に規定された社会 = 私達の多くが慣れ親しんでいる社会
  • 社会学者のマックス・ウェーバーによれば、国家の定義のひとつは「一定の領域において暴力の合法的な仕様の独占を要求する存在」だとされる
    • 社会性一式とは別の議論。だけどこれも一つの真理だと思う。

第3章 意図されたコミュニティ

  • 歴史的に見て、共同体運動が盛んになるのは社会や文化が大混乱にある時期だ。<略> 今日の情報革命と発展しつつあるロボットによるオートメーションは、共同体主義車を刺激しているかもしれない。 
    • この予言は当たるかもしれない。ちょっと心配。
  • 有能なリーダーが果たすべき務めは多い。すなわち、集団内の対立をできるだけ小さくする。厄介者が集団の調和を乱す前にうまく対処する。計画どおりに仕事を進める。緊急時にも合理的な判断を下す。争いが起きれば公正に対処する。コミュニケーションを円滑にする。<略> 時には同じ人間が手段的な機能と表出的な機能をともに果たすことはできない場合もあるだろう。これこそ多くの社会に「戦争をするリーダー(将軍)」と「平和を交渉するリーダー(外交官)」がいる理由だ
    • 基本事項だが、どの分野のリーダーにも当てはまる、ということをつい忘れがち。分野に特化したリーダー特性というものを探しがち。

第4章 人工的なコミュニティ

  • 社会的なつながりを変えられる可能性があるだけでも、より良いコミュニティを形作れるようになる
    • 居心地のいい状態を選択できる。自分に裁量権があるということが、コミュニティを良好に保つ。自分自身の幸福感とも直結する考え。
  • 生物がある特定の形を取るのは、特定の形だけが物理的に可能であり、より重要なことに「適応上有益」だからだとされる。<略> 人類を始めとする哺乳類のある種の社会組織だけが、物理的、生物学的、社会的環境に対処する上で助けになるのかもしれない。ある種の社会組織だけが道理にかなっており、それこそが社会性一式なのである。
    • 自然選択による適者生存としてはそうなのだろう。ただ、知恵のついた人間は遺伝子に組み込まれたもの以上に「論理的なもの」を付け加えることができる。これが現代人の悩みのタネにもなっている。「本来の人間としてはXXX」対「論理的には、より良くするにはXXX」

第5章 始まりは愛

  • パートナーを愛そうとする衝動は普遍的なものなのだ。
    • 途中色々興味深い話があったが、結局上記につきる。ただ、それはありきたりの結論ともいえる。

第6章 動物の惹き合う力

  • 夫婦の絆と原初的家族の出現が核となって、集団生活に関するより広範な特徴が育まれ、社会性一式の他の側面が現れてきた。私たちは、パートナー、子、親族への愛着と愛情の輪の外へ出て、自分の友人と自分の集団への愛着と愛情へ徒歩を勧めていったのだ。
    • 前章に続き、話として興味深い事例はたくさんできたが、結局は上記の文にまとまってしまう。これも当たり前の話。

雑感

本上巻全体を通じて、非常に興味深い文化人類学、歴史、新科学的な話がたくさん出てくる。しかし、最終的な結論が比較的「当たり前」と思えるものになってしまう。これは、筆者の言う「社会性一式」があるべき姿として常識なものであるから仕方のないこと。印象に残る強い主張は感じられない。昔から「こうあるべき」ものは理にかなったものであり、人間の青写真になっているという主張。

ただ、自然界の動物としての人間と、文明を発展させてきた人間とはうまく整合性を取れない部分が出てきつつあるのが現代。進化と自然淘汰の結果と論理的にこうある方が合理的(もっとうまくやれる)ということが衝突している。

読むことになったきっかけ

本屋で陳列されているのを見つけ、帯でビル・ゲイツエリック・シュミットスティーブン・ピンカーの推薦文が書いてあったので、あまり中身を見ずに購入。著者については全く知らなかった。

AI大図鑑 のメモ

書籍名

AI大図鑑 松尾豊 監修 ニュートンプレス 2020/12/15

気になった部分

  • 先入観のないAIは画像チェック役には最適
    • 統合的に世界を理解することが今のAIのできないことだが、単機能で使う分にはむしろそれがメリットとなる。ツールとして扱いやすい狭いAI。
  • 話し方の特徴からAIが精神疾患の有無を判定する
    • 「あくまで参考として使う」とのことだが、精度が高まれば確定診断に使うんだろうな。採用試験とかで使うようになったりもするんだろう。医療行為としてしか使用しないように規制をかけるのが妥当だろう。
  • 科学論文の「再現性」がAI医療のネックに
    • これはAIの世界では普通にありそう。実験環境(予め仕組まれた環境)ではうまくいくが、それ以外の環境(いわゆる本番環境)ではうまく行かないことが往々にしてある。大規模に学習するためのデータを用意できる企業や、大量データを容易に集められる分野でしか実用化に時間がかかるんだろう。医療はリスクが高いので実用化までに時間がかかる。とはいえ、時間の問題であり、長期的には解決していくんだろう。
  • 音声翻訳は、三つのAIが瞬時に動いている
    • 言われてみれば至極当然なのだが、なんとなくひとつの「音声翻訳のAI」といったイメージを持っていた。このように、いくつかの小さなパーツの集合体で一つの機能を作り上げるということが理解できると、(なんとなく壮大なイメージの)AIというよりは、一つ一つのモジュールを単に組み合わせた通常のソフトウェアと何ら変わらない事がわかる。なぜなら、通常のプログラムは、すでにあるパーツを組み合わせて使うことが多く、全部イチから作るわけでもない。よって、AIのパーツ化が進めば、普通のプログラムをつくるのと何ら変わらなくなる → そうなるとわざわざ「AI」とは呼ばなくなるんだろう。
  • 人事採用でAIに評価される時代が到来
  • AIが結婚のパートナーをおすすめしてくれる
    • 上2つはもう違和感ない感じ。なれてしまった。
  • AIが”身体”をもてば言葉の意味を理解できる?
  • AIが現実世界を学ぶための「身体」
    • これは私も思いついたアイデア。やっぱりこの線で考えている学者・エンジニアがいるんだ。

雑感

中学生から大人向けという感じ。 今話題になっているAIってこんな感じでもう世の中に広まってきているよ、と紹介している感じ。 期待通りといえば期待通り。

読むことになったきっかけ

AIのことをざっくり全体的に把握できるかな、と思って本屋で衝動買い。

人工知能のアーキテクトたち AIを築き上げた人々が語るその真実 のメモ

書籍名

人工知能のアーキテクトたち AIを築き上げた人々が語るその真実 マーティン・フォード 水原文 訳 松尾豊 監訳 O'REILLY 2020/8/21

気になった部分

  • 共通して聞いた質問「AIやロボット工学が労働市場や経済どのような影響を与える可能性があるのか」「人間レベルのAIへの道のりについて」「AIの発展がによってもたらされる様々なリスクについて(近い将来/遠い将来)」
    • 上記質問の回答を見ることで、様々な視点や考え方が存在するということが把握できた。それを通して自分自身が何を望んでいるのか、どのような考え方に賛成/不同意なのかも見えてきた。
  • AI業界では多様な人を招き入れようとしている。しかしAI/ML業界全体での女性の割合は12%程度。
    • このままではまた今までの歴史と同様、AIにおいても男軸で進んでしまうかもしれない。
  • 今のAIは、特定の部分では素晴らしい成果を上げており役に立っているが、人間のように物事や概念や世界を理解しているわけではない。
    • まさに機械。
  • 今のAIの仕組みは人間の脳の処理と同じというわけではない。鳥の飛ぶ仕組みと飛行機やヘリコプターが飛ぶ仕組みは違う。人間の脳の仕組みはまだよくわかっていない。
    • 人工知能」というから過度の期待や誤った推測が出てくる。新しいテクノロジーによって、従来人間しかできないとされていた部分(の一部)が、機械(コンピューター)によって代替可能ということが、人間の代替とされてしまう。
    • 「人間の代替」ではなく「労働の代替」ではあるとおもう。働かない/働けない人間はどうなるのか?やっぱりベーシックインカムしかないのか?生きがいは?
    • 「人々に学びを促す条件付きベーシックインカム」←これがいいかも。行政的な手続きやコスト増加は避けられないと思うが。
  • AIの兵器への応用
    • 書籍「無人の兵団 AI、ロボット、自立型兵器と未来の戦争」の内容を思い出す。
    • 兵器の目的「守りたい/攻撃したい」 何を?「人?/モノ?/エゴやプライド?」
    • 機械が機械を壊す 機械が人を壊す 人が機械を壊す 人が人を壊す
  • 人・機械によらず「正しいことをする」のであれば知能があるとみなせる
    • まあ、妥当
  • 汎用人工知能にかけている点は、長い時間に渡ってうまくやっていく能力。AIにとって囲碁や将棋で何百手先を読むことは、ほんの数ミリ秒先のこと。因果関係も苦手。
    • 人間相手に、計画立てて、段取りして、説得して・・・的なことはたしかに難しそう。
    • AI同士ならば楽にできちゃう?でも自然条件とか物理的な成約もあるのでそんな簡単ではないな。
  • 生産手段(ロボットやAI)を富裕層が専有し、その召使いが存在し、それ以外の人々は何もしていないという状況は最悪の状態であり、避けなければならない。
  • AIの定義の中に「矯正可能(誤りを修正できる・OFFにできる)」という概念を組み込むべき
    • 人間のコントロール下に必ずおいて使うということ。これならば安全だと思う。この考え方の延長線で進めば大混乱はなさそう。だけど、ディストピアにならない可能性はなくならない:持つものと持たざるものの格差は広がりうる。でもそれは今でも一緒か。程度の問題。
  • 人類に対する脅威の比較・深刻度: 経済格差 分断 気候変動 核爆弾を使った戦争・テロ AIの発達→暴走
    • 並べてみるとAIの深刻度、優先度は低いかも、と思ってしまう。
    • ただ、人間は「進歩の速度が線形」だと思いがち。テクノロジーの最近の加速度的な進化をうまく考慮できないらしいので、私(たち)の直感や感覚は当てにならない?
    • 人間の判断で、意図的に社会への適応する速度を遅らせることはできるだろう。技術は勝手に進歩してしまうかもしれないけど。
    • 誰が判断する?政治家?官僚?科学者?国民?(世論や選挙で?→結局政治家?)民主主義国家でなければ独裁者?
    • 誰かが無許可で勝手にやってしまう → 現在のテロと同じ。
  • 警察活動について AI搭載の警察ロボットに対して、発砲を受けた後にだけ発砲が許されるということにすれば、現在の人間の警官による人種差別的な行動によりも優れている。
    • 「やられる前にやる」という理論は成立しなくなるな。
    • ただ問題は、果たしてこのロボット警察が適切に私を守ってくれるのだろうか?こっちが心配。
  • 長い時間をかけて多くの苦労や発見・発明の積み上げでできたものの「価格」は安くなる 例えばブルーレイの再生装置の価格と音楽ライブ演奏を比較 ライブ演奏に多額のお金を払う
    • 人間中心 生 直接 親しい存在 感じる 共感できる
    • 上記要素をVRとかで再現したら?親しい存在として感じられるAIができたら?
    • 汎用人工知能の話ではないな。人間を騙す(錯覚させる)技術進歩の話だ。
  • 自動化されそうな仕事(活動)と賃金構造やスキル要件といった伝統的な概念はうまく整合しないことが多い。高い学歴(やスキル)を求められる仕事が自動化されにくいというわけではない。受給や単価や自動化に費やすコスト・手間にも影響を受ける。→ 検討することで自動化のペースや程度がわかってくる。
  • 「基本的な事実として、テクノロジーによって職はなくなるが、仕事はなくならない」「常になされるべき仕事は存在するが、それが労働市場で尊重されるとは限らない」
    • 忘れがちだが、感覚的にはしっくり来る。
  • 汎用AIを女性にする → AIを非暴力的にする
    • 確かに「男性」というだけで暴力性は劇的に高まる(5倍らしい)。まるごと女性ではないにしても、暴力性という点だけは女性の因子・要素を含ませるのは賛成。

雑感

AIの技術的な詳細について新しい情報を得るというよりも、全体としてのAIの「現在地」「今後の方向性(の選択肢)」「(技術的ではなく)社会制度やコンセンサスにおける課題」が把握できる。 数年したら消費期限が切れてしまうと思われるので、今読んでおいたほうが良いと思う本。 AIに限らないが、新しく出てきた技術については、このようにスーパースターたちのにインタビューして一つの書籍(WEBでもいいが)としてまとめてもらえるとすごく助かる。 出版してくれて、そして翻訳してくれてありがとう!

読むことになったきっかけ

書店で「ビジネス関連」の棚に、この分厚い表紙にアルファベットだらけの本があり、なんとなく手に取る。 ビジネス関連というよりはIT関係の書籍の多いO’REILLYの本だししかもAIのということでパラパラとめくってみる。 原書は2018年ということで、日進月歩のAI関連の書籍としては古いのかも?と思ったが監訳者の松尾豊さんが帯で「本書を一読いただくだけで、現時点での世界のAI技術に関しての現状認識や今後の方向、課題、そして、社会全体の方向性や課題などについて、かなり正確に把握することができる。」といっていたため購入。

闇の脳科学「完全な人間」をつくる のメモ

書籍名

闇の脳科学「完全な人間」をつくる ローン・フランク 赤根洋子 訳 文藝春秋 2020/10/15

気になった部分

  • 脳を刺激し、同性愛者を異性愛者へ作り変える
    • 「脳はしょせん機械。電気信号が正しく伝わらないことが原因で、望ましくない影響が出ているのであれば、人工的に電気刺激してやれば良い」という発想での実験(治療と言ってもいいのかな?)。
  • 自殺願望の理由となった同性愛的指向
    • 自殺しようと思い悩むほど苦しく、生きづらいと感じるのであれば、自分の脳をいじることもありだと思う。
  • 脳深部刺激療法は百億ドル近くになる予測
    • 「この処置は治療である」というお墨付きが与えられたら、宗教の壁はある程度突破できるんだろう。
    • いかに今を快適に生きるか、につきる。
  • 統合失調症の根本的症状はポジティブな感情の欠如
    • 統合失調症のひとは、やる気や楽しみや喜びがない中で生きている。そんな中に放り込まれてしまったら生きていくことはとてもつらいだろうな。
  • 脳深部刺激療法による人格のオン・オフ現象
    • 「脳は所詮機械」という説の一つの証拠。
    • もしそうならば、脳の仕組みを解明(=機械の仕組みを解明)しさえすれば、汎用的な人工知能をつくることは可能なんだろう(それがいつなのかはわからないけど)
  • 幸福感に上限を設けるべきか もう少し幸福度を上げたい気もするんです
    • あ〜考えたくないな、この問題。
  • 「人々を幸せにすることは、精神科医である私の仕事ではない」
    • 私と同じように、この問題から逃げたいんだろうな。すごく共感できる発言。
  • 人間が弄んではいけないという領域が存在する
    • この主張は、メカニズムが良くわかっていないときの「一時的な防波堤」だと思う。結局誰かが仕組みを解明してしまった後は、「科学的・医学的に扱えばよい」ということになっちゃう。
  • 暴力は治療できる
    • 暴力だけじゃなくて、欲望、性格、記憶、指向なんかも「治療(=カスタマイズ)」できちゃうんだろうな。それはいつ頃だろうか?私がが生きている間にできちゃうかもね。
  • 電子機器を使ったオーダーメイド医療検査を体験する
    • 単純に一度やってみたいな。
  • よりピンポイントの脳深部刺激が可能な装置が次々と開発される
  • いずれ誰もが脳の若返り手術を受けるようになる
  • 世界を救うためには人類の倫理観を操作する必要がある
    • 上3つ同意。

雑感

今では結構「アリじゃない?」的な手法が、キリスト教の教義に反するといったことで葬り去られてしまったことで、救えたかもしれない精神疾患の患者が多くいた事は残念だとおもう。ただ、このような革新的な技術においては他にも多く見られることでもあるし、古代ローマ文明のように優れたものが普及していてもその後忘れ去られたりもする。昔と違うことは、このような情報はコンピュータに記録され、人工知能が探し出してくるということにより、「忘れ去られる」ということは起こりにくくなるんだろう。

たまたま近い時間に読んだ聖なるズーのおかげで、いろいろと思考が広がった。

読むことになったきっかけ

丁寧な書評を連日のように掲載しくれているため、定期的に訪れている冬木糸一さんのブログ基本読書書評エントリを読んだのがきっかけ。書店で陳列されているのを見つけ、パラパラっと内容を読んでみて購入。

日経ビジネス 2021 02.22 No.2079 のメモ

書籍名

雑誌: 日経ビジネス 2021 02.22 No.2079

気になった部分

ニュースを突く ソニーだけが復活した理由

  • 自戒を込めて言えば、メディアの方が、古い発想を引きずったままだった。
  • 平井前社長はかつて筆者の取材に対し「ソニーはエレキだけの会社ではないが、周囲がそう見てくれない」と吐露したことがある。
  • 筆者もこの記事を最後に、ソニーを他の電機大手と比較するのはやめようと思う。
    • こういった意見表明は好き。この記事(コラム)を書いた「山川龍雄さん」のことは覚えておこう。キャスターとかやっているんだ。

時事深層 ”兄弟会社”のルネサスと明暗 変われぬJDI、新戦略にも既視感

  • タイトルだけで十分
    • 本当にタイトルのまんまの感想。ルネサスは頑張っているんだね。時価総額で50倍の差だって。

特集 70歳定年パニック あなたは戦力?お荷物?

  • 働く理由は「生活のため」
  • 定年後に働く上での不安 1.体力の衰え 2.給与や待遇が下がる 3.記憶力や学習能力の衰え 4.気力の衰え
    • ものすごく「あたりまえ」のことしか言っていない。生活するためのお金が足りないならば働くしかなく、働き口を見つけるためにはスキルを身に着けたりやる気を出す(やる気を示す)しかない。
    • 紙媒体の雑誌を読むような年齢層(私も含めて)の多くは、本当に気力がなくなってきちゃっているのかなぁ〜。

ケーススタディー イノベーション 理化学研究所 変身で掴んだ世界一

  • 利用者が驚くのはその使いやすさ。
  • 松岡聡・計算科学研究センター長は「とくにかく使われることにこだわって開発を進めた」と振り返る。
    • これも本当に「ふつー」のことだよね。いかに今まで異常だったのか。
    • とはいえ、富岳が高く評価されみんなに使われて役立って成果を出すことは素晴らしい!

編集長インタビュー 乗っ取りか否かは小事だ 日本ペイントホールディングス社長兼CEO 田中正明

  • ちなみにタレントの田中みな実さんの父親との噂がありますが「後輩のお嬢さん」だそうです。
    • へぇ〜

世界の最新経営論 中野郁次郎の「人間的」経営論6 ソフトウェア開発と中野理論 被災動物救った「スクラム

  • 時代の要請とともに進化し続ける「スクラム」は、イノベーションに必要となる組織の「知的機動力」を高める仕事のやり方だと言える。
    • ソフトウェア開発(IT業界)では、日本でも結構広まってきているスクラムアジャイル)が、最近それ以外の一般ビジネスの記事でも見かけることが多くなった気がする。
    • 最近のビジネスはITがキモなので、ITの考え方に触れる機会が増えたことで話題となっているのか?それとも、普遍的な考え方をビジネスの進め方に取り入れようとしているのか?単なる流行りか?
    • 誰もが知っているGAFAMやBATは皆IT企業なので、IT分野の考え方がその他分野へも広まっているという気もしないでもない。

世界鳥瞰 Financial Times 豪州、Googleなき生活はあるか

  • オーストラリア政府は1月、グーグルの検索結果などにニュースコンテンツが含まれる場合、そのコンテンツを発行する報道機関等に使用料を支払うよう義務付ける法案を公表した。
  • これに反発したグーグルは、同国内での検索サービスを止める可能性に言及した。
    • オーストラリアは中国とも激しくバトルしているし、すごいなぁ。個人的にはオーストラリアを応援したい。
    • 検索分野でグーグル以外の選択肢が出てくることはいいことだと思うが、オーストラリアだけが主要顧客では難しいのだろうな。中国は中国内部向けでも(今のところ)なんとかなっているようだけど。

世界鳥瞰 The Economist 対中姿勢を硬化させる英国

  • 中国テレビ局の免許を停止
  • 英国政府は1月31日、香港市民及びその扶養家族290万人を対象とする新たなビザ制度を導入。将来の英国定住に道を開いた。
  • 英国の新たなアプローチは、バイデン政権の方針と強調するものとなる。
  • (中国政府は)英国企業に対し、オーストラリアに科したのと同様のあからさまな制裁を発動する可能性がある。
    • イギリスの動きとか考え方はついていくのが大変。コロコロ変わるので、ちょっと気を緩めていると「えっ、そうなの?いつの間に?」的なことがよく起こる。
    • トランプ遵守よりはバイデン遵守のほうがいい気がする。EUとかとの関係はよくわからない。
    • イギリス国民はどう思っているんだろう?そのあたりはあまり報道されていない気がする(私の守備範囲が狭いだけ?ブレイディみかこさんの本「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 」は読んだが、対中国の国民の意見は書いてないわけだし・・・。)

聖なるズー のメモ


書籍名

聖なるズー 濱野ちひろ 集英社 2019/11/30

気になった部分

  • 著者が約10年DVの被害者。結婚を期にようやく逃げ出す。
    • 酷い。凄惨。私では耐えられる気がしない。逃げるとか助けを求めるという気力・意志がなくなるというのがすごい(パワハラ、黒人奴隷、うつ病、シベリア抑留、ホロコースト関連の記事や書籍を読むと似たような表現に出会うがDV独特の感じもある)。やや不謹慎だが、強烈なインパクトで冒頭から読者の心をつかむのはうまい、と思ってしまった。
  • 欧米圏では動物とのセックスについての糾弾が厳しくなっている
    • 日本では公にそのような活動は起きなさそうな印象。駅前とかでテント貼って説明会とかイメージできない。
  • キリスト教的には「動物とセックスするな」と定められている(旧約聖書レビ記一八章)動物とセックスした人は死ななければならない、動物も殺さねばならない(同二十章)
    • 近親相姦、同性愛、姦淫などが忌避されるのは知っていたが、動物に関しては知らなかった
  • ドイツに動物性愛車の団体「ゼータ」がある
    • 欧州かつドイツというところがなんとなく「あぁ〜」と納得。自分の中に偏見があるな・・・。
  • 犬がパートナー、妻、夫
    • 日本の漫画とかアニメでは動物のキャラクターと人間が普通に生活しているものがあるので、そんなに心理的な違和感はない、気がする。
    • とはいえ、後に出てくるようにセックスをするという話に及ぶと、さすがに引いてしまう。同人誌の世界ではそのような描写は結構あるので、「設定としてはあり」な気がするが、本当にやっちゃうのは「やりすぎ」と感じる。
  • 現在の精神医学で動物性愛は、性にまつわる精神疾患。一方で二〇〇〇年代以降動物性愛を性的嗜好の一つとして捉える動きも生まれた。
    • 自由主義社会の流れとして「人として認めて受け容れよう」という潮流があるのはわかる。
  • 「動物パートナーとのやりとり」「人間どうしのフリーセックスイベント」
    • 生々しいルポになっている。私には「別の世界の話」と感じらる。
  • セックスや愛について自分の望む生き方を語る
    • この視点で見ると「なんでもありでいいんじゃない、暴力がなければ」と思ってしまった。本書の終盤で、それまでの劇薬的な部分が中和されていく感じ。

雑感

読む前は「どんな話が書いてあるんだろう、興味津々」であったのが、途中は「うわぁ、結構生々しいな。ちょっと引くかも」となり、最後は「違和感は少ない。受け容れ可能。」といった感じに変化していった。著者が文化人類学者として丁寧に人と接した上で慎重に文章を書いていったということと、前〜中盤の過激さに比べて終盤はトーンが落ち着いているということも、読後のマイルドな印象につながっていると思う。人間を受け入れるための視野が広がると思う。

本書の中には初めて知る内容が多くあったので、読んでいる最中や読書後は色んな方向に思考が飛んでしまった。そういう意味ではとても良い刺激を与えてくれた:

  • LGBTQとはまた別のセクシャルマイノリティのお話であり、かつさらに少数派の話なので「一般社会の中で生きていくだけでも大変だよなぁ」というのが率直な感想。「このような人たちはきっと昔からいたんだろうなぁ」と感じる。今より多かった/少なかったというのはわからないだろうけど。
  • 本書より少し前に読んだ「闇の脳科学:ローン・フランク:文藝春秋:2020/10/15」によると「脳に電極を差し込んで電気刺激を与えることで、同性愛者を異性愛者にすることができるかる」らしい。ズーの人も変えられる?
    • 何が「正常/異常」か言えない世の中になっているので、「治療」と称してやってしまうのはまずいよな。ズーの人は自分を変えたいと思うのだろうか?本人が今の自分に満足しているか次第。
    • 「今の社会では生きづらい」と思っているズー(を始めとしてマイノリティの人)は多そう。「見た目を変えれば幸せに生きられる」と感じる人が美容整形をするのと同じような感覚の治療になればやるのかな?(脳をいじるのであれば倫理的な問題がついてくると思うが)
    • 今の自分に満足していても「もしXXXになったらどうなんだろう?」的な思考は普通に出てきそう。そうなるとマイノリティだけでなく、その他大勢の人も巻き込んで議論となるので、余計に収集つかない。
    • 「自分の脳をお好きにカスタマイズ」となるとみんなやりたがるだろうな。「デザイナーズベイビー」ではなくて自分の話だし。→ ブレードランナー的な世界だったり攻殻機動隊的な世界はもうすぐ近く、かも・・・。
  • 動物なのが問題をややこしくしている。動物は「ペット」だったり「食料用家畜」「使役家畜」だったりする。人間だったら「人権問題」「尊厳問題」としてある程度線が引きやすいが、動物だと「動物虐待が問題?」まで後退してしまう。
  • 人間に近い人工知能を作るためには、このような「本能」に近い部分ってどうするんだろうか?今のような数学的(統計的)な要素からは生まれてこないと思うが、「パラメータAの場合はXが好き、パラメータBの場合はYが好き」的な微調整なんかはできちゃうかも。

読むことになったきっかけ

Yahoo!ニュース本屋大賞2020年ノンフィクション本大賞ノミネート」「第17回開高健ノンフィクション賞」ということもあり前から気になってはいた。ただ「動物との性愛」というテーマが結構奇抜なので、本屋で見かけても他の本に食指が動いていた。受賞後しばらく経っていても書店に陳列されていたので「たぶんそれなりに売れているんだろうから面白いんだろうな」ということで購入。

MASTERゴンザレスのクレイジー考古学 のメモ

書籍名

書籍 MASTERゴンザレスのクレイジー考古学:丸山ゴンザレス:2020/12/20

気になった部分

  • 國學院大學は考古学の総本山的なところ
  • 考古学で飯を食っていくのは難しい
    • 学者・研究者として食っていくのは狭き門ですね。サイエンス分野での研究者に対する国や民間からの支援が少ないとよく聞きますが、文系は更に厳しいのでしょう。
  • 建設工事、土木工事で発見された遺跡は、調査後に破壊される。
    • 言われれば当たり前なのですがちょっとショック。かつ残念。
  • 「忘れました」は許されない。発掘結果は後世の研究者のためにしっかり記録を取らなければならない。
    • 企業人でもよく言われる「ドキュメントをしっかり残せ」と似たようなことですが、考古学は最終的には検索可能で発掘された状況を再現できる記録を残すことがとても大事。
  • 手を抜く研究者はいない
    • この気概がいいですね。
  • 個人宅があるところから考古学的な人骨が出てくると迷惑
    • この感覚はあまりないなぁ。お墓と言われるとちょっと嫌だけど「遺跡から出た人骨」だと自分との距離感が出てくる感じ。でも、「アイヌの人骨やミイラを博物館で展示するのは良くない→展示やめる・元の場所へ戻す」という動きもあるので、世の中的にはそっちのほうが主流になるんのかな?
  • 「寶が峰縄文記念館」「東日本の豪農・齋藤家」
    • どちらも専門家や地元の人にとってはすごいこと・有名なことなんだろうが、全然知らなかった。
  • 東京にはキリシタンの遺跡がいっぱいある キリスト教は日本に伝来して400年以上立っている古くから日本にある宗教 東京駅にある遺跡は
    • キリスト教は日本的な色を付けて定着している。なんとなく外国の宗教というイメージが強いけどね。東京駅に遺跡があることは知っていたけど、キリシタンとの関係までは知らなかった。
  • 裏社会の話
    • 「物珍しい」という意味でへぇ〜と楽しく読めた。しかし、自分はコレクターではないし、ブラックマーケットとかにもあまりいい印象がないので、意外と印象が薄い・・・。

雑感

エッセイとして楽しく読めた。 もっと裏社会の話が多いと予想していたが、著者が本気で考古学者を目指していたということで、ちゃんとした考古学的な話もあった。私は考古学が好きなので嬉しい誤算。読了直後にNHKの番組「SWITCHインタビュー」で映画監督の白石和彌と対談していたのも楽しく視聴した。

読むことになったきっかけ

書店で見つけた。よく視聴していたテレビ番組「クレイジージャーニー」(放送休止になってしまったのは残念)にでていた丸山ゴンザレスが書いた本であり、著者に好印象を持っていたので手にとった。テレビで見る著者は体が大きくていかつい感じなのだが、話し方は柔和で優しそう。しかし、裏社会や危険地帯に飛び込むジャーナリストという。私では到底入り込めない(行こうとも思わない)ところにどんどん入っていってしまう行動力に感心していた。本の帯に「考古学×裏社会×旅」とあり、自分好みの本な予感がしたので、あまり中身も見ずに購入。